カナリア諸島ワインの歴史と復権
カナリア諸島――かつて世界が注目したワイン産地
カナリア諸島は、スペイン本土から約1,000km離れた大西洋に浮かぶ火山諸島。
その独特の地理と気候は、かつて世界中のワインラバーたちを魅了していました。
16世紀から18世紀にかけて、カナリア諸島産のマルヴァジア(Malvasía)種の甘口ワインは、
ヨーロッパ各国やアメリカ、さらにはシェイクスピアの作品にも登場するほどの人気を博しました。
その高品質なワインは「カナリアワイン」と呼ばれ、
英国王室をはじめとする上流階級の食卓を飾っていたと記録されています。
19世紀の衰退、そして長い眠りへ
しかし、19世紀後半から20世紀にかけては輸送網の変化や経済状況の悪化、
さらにはワイン産業の本土集中などにより、カナリア諸島のワイン産業は大きく衰退。
長い間、地元消費が中心の“知られざるワイン産地”として眠ることとなりました。
そして今、世界が再び注目する「新しい古典」
21世紀に入り、カナリア諸島の固有品種や原生的な栽培環境が再評価され、
スペイン国内外のナチュラルワイン・ファンを中心に注目を集めるようになります。
- 火山性のミネラル豊かな土壌
- 根を深く伸ばす自根の古木(フィロキセラ未侵入)
- 昔ながらの手作業による醸造
- 国際品種ではなく、地元に根ざした品種(Listán Negro, Listán Blanco, Malvasíaなど)
カナリア諸島のワインは、自然の個性をありのままに映し出す存在として、
今や世界中のワイン愛好家やレストランソムリエの注目を集めるようになりました。
「火山のワイン」という唯一無二の個性
「火山のワイン(Volcanic Wine)」というカテゴリでも語られることのあるカナリアワイン。
スモーキーな香り、キレのある酸、しっかりとした骨格が特徴で、
一度味わえば、ほかではなかなか出会えない個性に魅了されるはずです。
当店の想い
私たちはこの「再発見されたワインの楽園」の魅力を、
もっと日本に届けたいという想いで、この専門店を始めました。
小規模生産・高品質、そしてストーリーのあるカナリア諸島ワインを、ぜひご体験ください。